手作り製本技術
                       

 
印刷

① データ

  A5サイズの書籍を作る場合を例にします。したがって、データはA5サ
  イズで作成することになります。
  A4サイズにして、「段組」設定をする方法もあるのですが、文章とペー
  ジとの関係が難しくなるので、勧められません。
  
② 用紙

  私は、「ペーパーミツヤマ」さんの「書籍用紙」を使っています。
  A4サイズのものを二つ折りにすると、書籍のサイズはA5になるわけで
  す。
  用紙の厚さは72.5kのものにしています。

  用紙には流れ目(紙の繊維のならび)があります。
 A4の用紙を二つ折りにしますから、Y目の方が適して
 います。

 私は当初、書籍の流通を想定していましたから、文字が
 きちんと印刷できる、レーザープリンターを使おうとし
 ました。
 ところが、レーザープリンターは用紙に熱がかかるた
 め、両面印刷をするとしわができてしまうのです。
 仕方がないので90Kのものを使うしかなかったのですが、堅くて二つ折り
 にするのに苦労しました。

  今は、インクジェットの優秀なプリンタ
  ーが市販されていますから、その場合は
  より扱いが楽な72.5Kの用紙がベタ
  ーだと思います。

③ 印刷

  両面印刷をします。
  そのときに重要なのはページ構成です。

 ← このような構成にしない
   と、二つ折りにしたとき
   冊子になりません。





製本

① 折りたたみ

  重要な作業です。
  ここでの出来の善し悪しが、書籍の「品
  質」を左右します。
  ローラーを使って折り目を無ちんと付け
  ます。
  細かいノウハウはあるのですが、文章で
  表現することは困難です。

② 組み立て

 ← 「見返し」にするA4の用紙を2枚、二つ折り
   にしておきます。
   少し厚い紙にしてください。

   寒冷紗のテ →
   ープをA5の
   長辺の長さに
   切っておきま
              す。
              テープの幅は
              書籍の厚みに
              合わせます。

 ← 二つ折りにした用紙に見返しの用紙を
   加え、「製本機」にセットします。
   
   下は自然な形で机の面に落とし、横は
   釘で位置決めをします。

                  ひっくり返したりしてばらつきがない
                  かを確認した後、蝶ナットで固定しま
                  す。

③ のり付け
  
  木工用ボンドを塗布して、ヘラで →
  広げます。

  

  そのあと、のこぎりを使って傷を →
  紙にボンドをなじませます。



  
  寒冷紗で固定  →
  します。
  指でつまむと形
              が整います。


  これでしばらく放置します。
  一度にたくさん作る場合は、もうひとつ「成形機」を用意すれば、繰り返
  して作業することができます。

④ 製本

 
  ← 寒冷紗の、「見返し」の部分をボンド
    で固定します。

  ← ボンドが乾いたところで、はみ出た部
    分をカッターで切り取ります。 

  ← 表紙と固定するための、両面テープを
    貼ります。

     下側が、寒冷紗と固定する部分です。
  




  表紙を用意します。

  私は、上質紙の縦方向をA4に合わせ →
  て、210×362ミリにカットした
  ものを使っています。


  あらかじめ冊子の厚さに合わせて、 →
  折り曲げておきます。

  折曲げは、スケールと千枚通しで跡を
  つけて作業しています。





 ← 寒冷紗の上にボンドを塗っておきます。
 





 ← 冊子を挟み込みます。






 
 ← 両面テープで固定し、はみ出た部分をカッ
   ターで切ります。




 ← カバーを掛けて
    完成です!

    カバーは、印
   刷屋さんに頼
   みました。
  

                         ↑
                      急いでいて、ボンドが乾かな
                      いうちに作業を進めたので、
                      いくぶんゆがんでしまいまし
                      た。



 製本技術は、「ブナぶな考房」さんから教えてもらったものです。
             ↑
    http://bunakobo.sakura.ne.jp/

 「製本機」とローラーも購入させていただきました。

 みなさんも挑戦してみませんか。